意外と経費の自腹持ちが多い仕事でした

 タクシー乗務員をやっていた時を思い出して見ると、案外業務に必要な事柄をに関してかかる経費が「自腹持ち」になることが多かったな、という印象です。
例えば、制服のクリーニング代。これを負担してくれる会社の存在を聞いたことはありません。
僕だけでなく皆さん自腹持ちでされているようで、福利厚生が充実しているといわれている某事業者の車が自分も愛用しているクリーニング店の駐車場に止まっている光景を見て、「乗客がお店の利用しているからお待ちしているんだろうな」と思いきや、乗務員さんが商品の引き取りをやっている、なんてこともありましたね。その時は「賃走」なのか、「回送」表示なのかは確認できなかったけどw
タクシーの乗務員も車椅子や歩行器の出し入れぐらいは当たり前にやる時代。ヨレヨレのかっこ悪い姿は見せられないというわけで、業務を遂行するに当たって必要な経費なのに自腹持ち。少なくとも「被雇用者」である法人タクシーの乗務員でこの状況はおかしいと思うべきです。
余談ですが、タクシーの乗務員に「前衛的な」身なりの方を見かけることがある、という話を聞きますが、その事業者は制服の無償貸与すらやっていないブラック事業者である可能性があります。利用する側としては避けるべき事業者であることは言うまでもありません。乗務員は当然洗濯の費用すら惜しまないといけない状況でしょうから対応の質は想像できると思いますw自分のいた会社でもいましたよ。袖が黒ずんでいて、ボタンがちぎれたままで、肌着が「萌えキャラ」のTシャツだった乗務員さんが。
洗車もワックスの支給があれば上等な方で、洗剤や拭き取りのタオルに埃払いモップ類……は、やっぱり自腹持ち。
個人タクシーじゃないですよ。法人タクシーの話ですよ!
そもそも今時ワックスがけとか流行らないですよ。マイカーをお持ちの方ならわかると思いますが、大抵は「ボディコーティング」を勧められるでしょう。有効期限一年間だけの格安品でも洗車の手間も費用も結局お得なんですよね。
そして、チケットやカードの手数料負担だって世界的なキャッシュレス決済のビッグウェーブがこの国にも押し寄せている御時世に、いやそうで無くても経費の自腹持ちであるという事実には変わりありませんよね。
このように、経費の自腹持ちが当たり前になっているタクシー業界ですが、タクシーですらこの有様なのに「ライドシェア(笑)」だと、どうなるんでしょうかねぇ。
車両の点検とか自動車保険とか、マイカーの時と同じ感覚で維持する奴等が「業務に就く」ことが予想されるから絶対利用したくないけど。配車ブローカーの取り分が多くて収益は殆ど無いと聞いているので、車両の点検整備や保険(使用目的を「主に業務」へ変更しないと保険加入の意味が無いし、「主に通勤通学」との差額も大きい)に服装散髪の費用などなど……業務に就くための経費負担なんて出来るわけないと思いますよ。